The 1975はただのポップバンドじゃない
The 1975とはどんなバンドなのか
イギリスマンチェスター出身のオルタナティブ・ロックバンド「The 1975」。現在まで3作のアルバムを出しており、そのすべてがUKチャート初登場1位を獲得しています。曲の特徴としてはシンセサイザーを多用しており、バンドと最近はやりの音楽のミックスといった感じです。また曲自体は洒落たものが多く、気疲れすることなくずっと聞いてられる曲が多いイメージ。あとビジュアルももんすっごい洒落。気になる人は、いろんなPVとかinstagramのぞいてみてね。
たとえばこれ。
注目するべきは「歌詞」
The 1975の曲はただ心地いいだけではないんです。 この”Chocolate”という曲で、「The 1975」は脚光を浴びブレイクを果たしました。 多くの曲にはその明るい曲調の裏にシリアスな内容が含まれてことが多くあります。軽快で心地よいリズムとは裏腹に、”Chocolate”は「マリファナ」の隠語となっており、葉っぱに溺れるカップルが警官から逃げる情景を描いた曲になっています。
ボ ーカルのマシューも過去依存していた経歴があることからもなかなかリアリティのある内容…
この曲調と歌詞の「コントラスト」、また歌詞に含まれる「皮肉」こそがThe 1975の特徴で、聞けば聞くほどハマっていくとこなんだ。
The 1975 "Sincerity Is Scary"
ここからが本題です。今日紹介するのは"Sincerity Is Scary" という曲。
彼らの三枚目となるアルバム『A BRIEF INQUIRY INTO ONLINE RELATIONSHIPS』(ネット上の人間関係についての簡単な調査) からリードシングルとして公開されたのがこの "Sincerity Is Scary" 。
聞き取りやすいドラムのリズム、なんとも心地よいトランペットのメロディさらにサビでのハモリ。
おしゃれな雨が降ってきそう。
さらには PVはなんだかミュージカル調で、最初の穴に落ちるところなんて画面がグルンってなってほんとびっくりよ。 最後雨も降ってきたね。
曲名を直訳すると、「正直は怖い」。なるほど。どういうことなのだろう?
歌詞を見ていくとわかるのですが、この曲はある男女のラブソング。
でもやっぱりそんなハッピーな曲じゃない。
"Why can't we be friends, when we are lovers?
'Cause it always ends with us hating each other "
サビの始まりの歌詞なのですが、なんとも切なくない?
恋人と友達は両立できないんだって。恋人はいつも憎みあって終わりを迎えるんだって。
では、なんでこの曲のタイトルは 「正直は怖い」 なのか。
それは、彼女のほうが「正直」になれないからだ。
"And irony is okay, I suppose, culture is to blame
You try and mask your pain in the most postmodern way
You lack substance when you say
Something like, "Oh, what a shame"
It's just a self-referential way that stops you having to be human
I'm assuming you'll balloon when you remove the dirty spoon
And start consuming like a human, that's what I am assuming "
これは曲の始まりの歌詞。
ここでは、
「君が何か皮肉を言うとき、君に中身がないように思えるよ。そうやって自分を守ってるんだ。」
という男側から女側へのセリフ。
つまり「正直は怖い」をわかりやすく言うと「正直になるの怖い」ってことなのかなって思いました。
実際何も秘密がない人なんていないだろうし、仕方のないこと。でもそれは友達だから丁度いい距離感なわけで、恋人ってなったらまた違うよね。でももう友達には戻れないのかーと先ほどのサビにやってくるわけです。
どうですか。なかなか面白くないですか?The 1975というバンド。ただ単なる聞きやすいバンドではないと少しでも伝わってくれてたらうれしいのですが。
ほかの曲では、スターダムをのぼりながら薬に溺れていくボーカルマシューの実体験を描いた曲や、同性愛についてなど社会問題をテーマにしたも数多くあります。実際同性愛が禁止されている国でライブした際に男性にキスをして抗議するなんてことも。ついに始まったサマソニ2019でも女性のオーディエンスの手の甲にキスしてましたね。男の自分から見ても美しい光景でしたよ。
2020年2月21日には通算4作目となるニュー・アルバム『Notes On the Conditional Form』 を発売することになっているので是非この機会にたくさん聞いてみてください!